ヒツジ百貨店 | 食パン的美しさ

この冬、ダッフルコートはどれを選ぶ? パート4

こんにちは。
ヒツジです。

引き続きダッフルコートについて書いていきたいと思います。


その前に、メンズウェアの流行についてちょっと。

毎シーズン、今年はなにが流行るとか言われますけど、正しくは流行るのではなく流行らせているということは気づいている方も多いと思います。

多くの消費者が雑誌からそのシーズンの流行を受け取っていると思いますが、じゃあその雑誌はどこからそのネタをひっぱってくるのか。
答えはモードブランドのコレクションです。
特にパリコレ、ミラノコレは非常に注目度が高く、話題性のブランドだったりデザイナーだったりのルックから抜粋して雑誌に落とし込み、流行らせる流れとなっています。

それで、ここまであからさまなメンズの流行ってしばらくなかったと思うんですよ。
そもそもメンズウェアなんてクラシックだったりトラッドだったりがベースとなっている、いわば制服みたいなものなんです。
ただこれは30アッパーの話かな。
わたくしもそうでしたが、20代の若い男性は流行を追うのがかっこいいと考える人は非常に多いはず。

わたくしが大学生の頃はディオールオム全盛期でした。
クリスチャンディオールのメンズラインとしてエディスリマンという若いデザイナーが就任しました。
スタートは1998年か99年ぐらいだったかな。
それがディオールオムとして世間が認識しだしたのは2002年ぐらい。
テレビや雑誌などのメディアで芸能人やモデルがこぞって着たり、スケザネ氏や野口氏などの有名スタイリストが全身をディオールオムで固めて雑誌に載っていました。
シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルド氏がディオールオムを着るために必死にダイエットをした話は有名です。

実はわたくしは昔から太っていましたが、大学に入る前に頑張って30キロぐらい痩せたんです。
今までは服なんて全く興味ないださい男だったのですが、ある日自分の醜さにうんざりしてダイエットを始めたわけです。

大学に入る時にはダイエットもほぼ終わっていて、これから大学生活を楽しむぞ!という時にディオールオムがブレイク。
必死にバイトして少しずつ買ってました。
いかんせん、単価が高いのでたくさんは買えないんですけどね。
大学という狭い世界の中で今最先端のディオールオムを着ている学生は、それを着ている自分から見てもヒエラルキー上位であり羨望と嘲笑の的であったように思います。

同時にドメスティックブランドという日本のブランドが台頭し出しました。
そのほとんどのところがディオールオムに近いロックテイストを持っていました。
金銭面や体型面でディオールは欲しいけど買えない人はドメブラに走った人も多かったです。


ディオールオムのブームは2004〜2006年ぐらいをピークに下降しました。
07AWでエディスリマンが退任し、ディオールのようなロックテイストのブランドもあまり見なくなりましたね。
当時流行っていたドメブラは今でもあるのでしょうか、謎です。

あれだけ一大センセーションを巻き起こしたブームが終わり、そのブームに乗っていた人の関心は

「次はなにがくるか?」

結果的に言うと、なにも来ませんでした。
ディオールオム時代にエディスリマンの元で働いていたアシスタントがそれぞれ独立しブランドを立ち上げ、ディオールオムに近いテイストのコレクションを発表してもあまり話題にはなりませんでしたね。
一部の、ブームをまだ引きずっていたい人達は買っていたと思いますが。

ここからカオス時代の始まりです。
ディオールブームが終わった今、なにを着て良いのかわからない。
エディスリマンほど求心力のあるブランドもデザイナーもいない。
ハイブランドにこだわっていた人はバーバリープローサムやランバン、バルマン、ジバンシーとかに行ったのかな。

ドメブラを着てた層は多分流行物を適当に取り入れてたのではないでしょうか。
この頃はモンクレールが大ブレイクして少ししたあたりなので、そういった流行のアイテムを取り入れながら自分なり?のトータルルックをしていたのではないかと思います。

わたくしは08年ぐらいまでディオールを引きずっていました。
すでに社会人になっており、年に2回ほどイタリアに行くようになっていたのでイタリアクラシコやオーダーメイドの方に興味を持っていましたね。
明確な自分のスタイルはなかったかもしれませんが、暗中模索していた時代です。


話が逸れてるよと思った方、ここからが本題です。

ディオールオムのデザイナーであったエディスリマンは07AW以降、ファッション業界から離れておりました。
一部では復帰を望む声ももちろんありました。

そして2013年SS、エディスリマンがイヴサンローランのデザイナーに就任しました。
ブランド名をサンローランパリに変更して。
モード業界では期待で吐いちゃうぐらい、歓喜の声が上がっていました。
エディスリマンはもとサンローランにいたので、不自然な流れではないと思います。

ただ、コレクションとしては13SSはレディースのみ。
メンズは13AWから。
そう、今です。

エディスリマンがファッション業界に復帰したことにより、メンズファッションにも6年ぶりにブームが到来しているのです。
いや、正しくは到来させている。

あの時と毛色が違うのは、ディオールオムは最初は取り扱い店も少なく、知る人ぞ知るブランドでジワジワ認知されていったのですが、サンローランはメディア戦略がすごい。
コレクションが発表された当初、落胆の声が多かったのは事実です。
ディオールと同じようなことをやっているし、それはもう新しくない。
エディの復帰を望んでいた人達も、当時のルックをすることは今の時代には適さないとわかったのでしょう。

にも関わらず韓国俳優を始め、モデルやセレブが着まくっています。
彼らは自分で選んでいるというよりは着せられている人の方が多いと思います。
13AWからは日本でもすごく目立つようになりました。

芸能人を除いて、今サンローランに熱狂しているのは当時のディオールオムブームを経験していない20代、もしくは堪能できなかった30代が多いように感じます。

そんなブームが巻き起こりだしたこのシーズン。
なぜダッフルコートが流行っていると言われているのか。
答えはこれ。

00040h.jpg


サンローランパリの13AWコレクションルック4です。
今期のメンズダッフル推しは間違いなくこのルックが原因だとわたくしは考えています。

どうしてこのルックが響いたのか。
わたくしの考察では

・クラシックなダッフルコートをモードに昇華させ、新鮮味があった

・コレクション前半のコーデ、しかもリアルクローズとして同じようなコーデで実際に街で着てもおかしくないから

・サンローランパリ初めてのメンズコレクションで、力のあるルック1発目だった
(コレクションを見ると感じると思いますが、ルック1から見て「おっ!」と最初に思うのがこのルックだった人は多かったようです)

ということだと思います。
ちなみに、このルックに使われているニットやチェーンデニムもすごく人気です。
ダッフルとあいまって結果的に一番求心力のあるルックだと感じた人が多かったのではないかと思います。

注目されているブランドの力のあるルックがダッフルを使っていた。
だからダッフルを流行らせるという流れです。


今回の記事は「モードな男達」みたいな内容になってしまいましたが、わたくしのブログを読んでいただいている方にはあまり興味のない内容だったかもしれません。
ですが、クラシック好きとはいえこういう世間レベルでの流行などは押さえておいても損はないと思います。
これを知った上で例えばグローバーオールを買うのか、知らないで買うのかでは意味が違ってきます。


流行って良くも悪くもですよね。
流行だから着ているのではなくてもたまたまその時流行のアイテムを着ていると、それに乗っていると見られるのは気持ちの良いものではありません。

自分の意思は服に投影されるし、服は自分を投影します。
服だけではなく、持ち物や立ち居振る舞いも含めて。

流行を超越した良い物を選ぶ、そして選ばれる自分でありたいなと思います。


ダッフルコートの話は今日で終わりです。
この話はわたくしの好きなネタというよりは流行を追ったネタだったので、次回から数回は自分の好きなことを書こうと思います。


それではまた!

Posted by ヒツジ

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://hitsujihyakka.com/tb.php/18-b9730422
google-site-verification: google4ec9ce459aaf71f7.html