ヒツジ百貨店 | 食パン的美しさ

エルメスのクリエーションに見る革の適材適所

こんにちは。
ヒツジです。

先日チェッレリーニの記事を書いてからというもの、コインケース他、革小物をオーダーしたくて仕様を練っている毎日です。

天然素材、大好きです。
人間が自然な生き物である以上、触れる物は化学繊維よりも天然素材である方が肌馴染みが良いと確信しております。
長い歴史の中で自然な物を愛した結果、これだけ技術が進んでも所詮化学繊維は化学繊維でしかなく、天然素材に替わるものはありませんし、これからも出てこないでしょう。
もちろん、化学繊維の中には天然素材にない機能性を持ったものもあるのでそれはそれで素晴らしいのですが。

人の生活に密接に関わっている天然素材といえば、コットン、ウール、麻、革。
わたくしはどの素材も大好きですが、今日は革について考えてみたいと思います。

一概に革といっても、牛なのか羊なのか鹿なのか山羊なのか豚なのか。
さらにはワニやヘビからも革を採ることが出来ます。
エキゾチック系は一部のお金持ちの方しか使う機会がないと思いますので、今回は牛、羊、鹿、山羊、豚に絞って考えてみます。

巷で見る多くの革製品は牛革を使っておりますが、もちろんそれだけではありません。
特にエルメスの製品を見ていると、色々な種類の革が使われていて面白いのです。
そもそもこれらの動物の革はそれぞれ得手不得手があります。
例えば羊の革は柔らかくて肌馴染みが良いけど傷みやすい、豚の革は毛穴があって見栄えはいまいちだけど耐久性が高い、など。
もちろん、加工によって弱点を補うことも出来ますが。
エルメスの鞄や革小物で主に使う革は、牛と山羊です。
牛に関しましては、型押しカーフのエプソンが代表です。
さらにはリアルシュリンクであるトリヨンクレマンス、トゴ。
あとはカーフの王様、ボックスカーフ。
メインはこのあたりでしょう。
あとは山羊革のシェーブル。

鞄、革小物のような中に物を入れるための道具は、外側と内側ではその役割が変わってきます。
外側は見た目重視で、毛穴や血筋の少ない綺麗な革で、汚れにくい素材。
内側は物の出し入れによりどうしても傷がつくので、耐久性が高く、軽い素材が良いと思うのです。

チェッレリーニは基本的にはこの考えなのでしょう。
外側はエルメスで言うところのエプソンやトリヨンを使います。
内側はオーダーではトリヨンにすることも可能ですが、基本的には豚革を使います。
正確にはピッグスキンではなく、さらに組織が緻密で毛穴が目立たないチンギアーレです。
余談ですが、豚革と聞くとカーフやラムより格が落ちるイメージをお持ちの方もいると思いますが、チェッレリーニで使用している豚革はもはや豚革じゃありません。
あれだけ柔らかくしなやかでハリがあり、なおかつ毛穴がほぼ見えない豚革は他で見たことがありません。
イタリアには豚革で有名なタンナーがあるらしく、きっとそこから仕入れていると勝手に思っております。

それに対してエルメスのクリエーションでは、外側も内側もエプソンという仕様をよく見ます。
パスケースやコインケースに多いですね。
エプソンは傷がつきにくい素材ではあるのですが、擦れ傷がついてしまうと結構目立ちます。
鞄の内装で使われているのは見たことがありません。
カードーケースの内装には良いのかもしれませんが、コインケースの内装にしてしまうとすぐに汚れて擦れ傷が目立ってしまうように思います。
しかし、コインケースを開けた時に内装と外装の革が同じというのは非常に高級感があってよろしいのです。

コインケースでは、他には外はエプソンで中がシェーブルの仕様もありますね。
トリヨンやトゴを使った鞄では内装はシェーブルが多いようです。
では山羊革の特徴はといいますと、ソフトで薄いけれども丈夫で耐摩耗性が高く、型崩れしにくいと。
この素材は外にも内にも良さそうですね。
チェッレリーニで言うチンギアーレと同じような用途のようです。

では、外装で使われるトリヨンとトゴはどうか。
傷がつきにくく、傷がついても革に馴染んでくるため外装として人気ですが、内装で使われているのをあまり見たことがありません。
わたくしが見たことがないだけで、調べた限り作ってはいるようですね。

実は冒頭に書きましたチェッレリーニのオーダーは、外装はトリヨンのような革にしようと思っております。
問題は内装をどうするか。
チンギアーレにするのか、外装と同じ革を使うのか。
見た目はエルメスのように外装と同じにした方が素敵感は出ると思うのですが、道具としての耐久性に問題はないのか。
問題はなくとも、チンギアーレに比べて劣ってしまうのか。
それとも、どちらもそう変わらないのか。
チンギアーレよりも重さと厚みが出てしまうのか否か。
そんなことをあーだこーだ考えているわけです。

ちなみに現在使っているデルボーのコインケースは、外側はトリヨン的なシボ革で、内側はスエード状です。
スエードは表革に比べて耐久性の高い素材で傷もほぼつきませんので、コインケースの内装として適していると思います。
そうなるとスエードで良いじゃん、という話になりそうなのですが今回はチンギアーレかシボ革で決めたいと思っているのです。
チェッレリーニで山羊革を用意してもらうのもなんだか邪道な気がします。
シボ革の方がカラバリが豊富なので、同じ素材だけど内装と外装で色が違うというのもチェッレリーニ的な遊び心が出ると思います。
考えてみれば、チェッレリーニは同素材の2トーンカラーの組み合わせをよく作っています。
むしろ既成品で単色の革小物って少ないような・・・。
鞄は単色が多いイメージですが。
作り手の精神を尊重しつつ、道具として申し分なく、なおかつ素敵感のあるものが欲しいのです。

この件についてはもうしばらく悩んでみたいと思います。

ヒツジさんはこんなのも持ってまっせ。
640.jpg



それではまた!!

Posted by ヒツジ

6 Comments

Aya says...""
こんにちは。
私も同じように中のレザーついて悩みました。結局一つ目だしチンギアーレを見てみたいのでそうしましたが、カラーバリエーションがあまりないので、アルチェと悩みますね。
後はステッチの色も初回なので革と同色にしましたが(持ち手の色を裏表で変えたのですがそれぞれステッチは同じ色にできるそうで)、全く別色を持ってきて遊びゴコロを出すのもいいし、、、

悩みますねw
2014.08.01 21:53 | URL | #- [edit]
ヒツジ says...""
Aya 様


こんにちは。
やはり悩まれましたか。
そこがオーダーの楽しいところでもありますよね。
鞄の場合、内装はチンギアーレで間違いないと思います。
以前、40cmぐらいのバッグで内装をアルチェにして作ったことがあるのですが、結構重くなってしまいました。
そして数回使ったのみでお蔵入りしております。
小物でしたらアルチェにしても重さにはほぼ影響しないのですけれど。

ハンドルの色を裏表で変えたのは良い案です!
既成ではまず見ないですよね。
ドゥーブルサンスぐらいでしょうか。

鞄をオーダーすると、それに合わせて革小物も欲しくなりませんか?(笑)
2014.08.02 17:49 | URL | #- [edit]
Aya says...""
そうですねw
特にFacebookのこちらのお店のページに季節のウインドウディスプレイやカタログにないバッグの画像が時々アップされるので、「これも欲しい」病になりそうですが、まずは最初の言うことはオーダーの到着、一年間くらい使ってみて、次ですね。
2014.08.02 18:19 | URL | #- [edit]
tlsize says...""
こんにちは。チェレリーニと聞き、性懲りもなく出てまいりました。
自分が持ってるチェレリーニのバッグは、外装も豚革(チンギャーレ)のものです。ほかのメーカーの豚革を触ったことないので何とも言えませんが、なめらかでしっとりしており、高級感はあると思います。
この革の一番いいところは軽いところ。また傷にも強いのでラフに扱えます。一方、牛革に比べると伸びやすいかもしれません。ですのでハンドル部分とかは違う素材をおすすめします。
カラバリも確かに微妙ですね。いろいろ用意はあるようですが、色合いが独特なので好みが別れるかもしれません。
でも、自分は鞄は軽い方が好きなので(重いと気に入っても持たなくなる)、豚革の鞄は大好きです。残念ながらチェレリーニ以外では殆ど見かけませんね。イタリアでは高級素材で、その昔はグッチが展開していたと聞いたことがありますが、今はどうなんでしょう。
毎度のごとく取り止めのない話ですいません。オーダー品の紹介楽しみにしてます。
2014.08.02 18:20 | URL | #- [edit]
ヒツジ says...""
Aya 様


御恥ずかしながら、Facebookのページがあるのを知りませんでした・・・。
貴重な情報ありがとうございます。
さっそくFacebookを始めたいと思います。

オーダー到着まであと2ヶ月ほどでしょうか。
この待ち時間が商品に対する愛着を育ててくれるはずです。
2014.08.02 23:57 | URL | #- [edit]
ヒツジ says...""
tlsize 様


こんにちは。
いつもコメントをくださってありがとうございます!
性懲りもなくと言わず、どんどん出てきてください(笑)

外装もチンギアーレのバッグをお持ちなんですね!
実際に使っている方の意見は非常に参考になります。
カーフに比べると伸びやすい、これは知りませんでした。
ハンドルは1年ほど使って、伸びきった時点でベストな長さになってもらいたいですね。
そういった意味では、豚革はハンドルとしては適材適所ではなさそうですね。

確かにカラバリは微妙ですね。
注文すれば店に置いていない色も出してくれそうですけど、色展開を見る限りでは基本的には内装用なのでしょう。
一度、店頭でベージュのチンギアーレを外装に使ったブリーフケースを見たことがありますが、カーフに匹敵する面構えでした。
鞄の重さは本当に重要ですよね。
何も入っていない状態でも重い鞄に大量の荷物を入れて持ち歩いている女性をよく見ますが、わたくしには真似できません。

こちらこそいつも勉強になります。
また色々教えていただけると嬉しいです。
2014.08.03 00:10 | URL | #- [edit]

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